地域の静脈経済をつくりたい
食品廃棄物もメタン発酵で有機肥料に
インターファームは、2021年より、工作機械や太陽電池を手掛ける株式会社エヌ・ピー・シーと、メタン発酵による有機肥料のさらなる技術開発とプラントのエンジニアリングを行うために提携いたしました。エヌ・ピー・シー社の松山工業に1トン容量のメタン発酵機と一連の測定機器、ならびに乾燥実験機を設置し、商用プラントの開発や運用ノウハウを確立するための実験検証を行っています。
2023年6月からは、某食品関連会社の食品廃棄物の処理と肥料製造に関する実験に着手し、鶏ふんと同様に技術開発の目途が立ちつつあります。食品残渣のメタン発酵では、鶏ふんに比べてかなり多くのメタンガスが得られます。食品残渣と鶏ふんや、他の副資材と組み合わすことでユニークな有機肥料や有機配合肥料を製造することが可能になると考えております。
◎食物残渣のメタン発酵実験(株式会社エヌ・ピー・シー松山工場)
地域の静脈経済を活性化したい
地元で十分に活用できていない物、価値が低い、または無いものから価値のある物を作り出す。地域で循環型社会を構築することにつながります。地元で出るバイオマス原料を有機肥料に出来れば、遠く海外から運ばれてくる原料に依存せずに済みます。例えば、養鶏場の鶏ふんを肥料にかえ、田畑に還元し、デントコーンや飼料米を栽培し、それで鶏の餌を作れば耕畜連携の静脈経済が形成できます。メタン発酵から得られるガスは肥料製造に活用すれば、高いレベルでカーボンニュートラルが実現できます。
インターファームは、「鶏ふんからすごい有機肥料をつくりたい」との発想からメタン発酵の実験に着手しましたが、地方のいろいろなセクターに参加していただき、それぞれの活用が不十分な資源(廃棄物、土地、資金等)と課題を分担することで各セクターを横断した静脈経済が作れるのではないかとワクワクしております。
事業化に向けて邁進しておりますが、自社のみでの達成は困難であり、メタン発酵による主目的を有機肥料の製造とするこの事業に協力や支援をいただける企業や団体、また個人事業者との連携や協業を行いながら展開して参りたいと考えております。
◎有機肥料製造のリサイクル・システム図